さて、皆さんはコンタックスというブランドをご存知だろうか?

コンタックスはかつて、ヤシカが西ドイツ(現在のドイツ連邦共和国)の老舗メーカー『ツァイス・イコン』とライセンス契約を締結して実質的にカメラ事業を譲渡したのである。

そんなコンタックスであるが、1975年に『Real Time System』と称したシステムが登場するのだ。
そう、今回取り上げるCONTAX RTSの初モデルかつ初フラッグシップ機である。
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このRTSなるシステムは指を触れただけで瞬時にシャッターが切られる『フェザータッチ』が売りの作品作りを最優先したストローク0.7mmという驚異の浅さが話題となった。
それだけでなく、くまなく電子化する事で高精度なシャッタースピードや露出計などが実現されたのであるが、それが災いして批評の一つになってしまったのである。

それが電磁レリーズのカムの設置位置が三脚穴の近くにあるという設計ミスで、三脚取り付け時の負荷によって故障してしまうというものである。
それだけに留まらず、ミラーが両面テープによる固定でミラーズレやミラーの外れが発生してしまうなど、様々な部分で故障が発生してしまうのであった。


そんなCONTAX RTSを手に入れた経緯というのが、やはりツァイスの描写というものに触れてみたいという一つの動機からであった。

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