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数年前に購入したPENTAX LXは実に凄惨たるもので、素人が塗装したかの様にムラがあり触り心地が実に悪い。

それだけに留まらず、白墨入れされた部分も見栄えが悪く使う気を失せさせるものである。

そこで、私はそんな状態のPENTAX LXを復活させるべく不足しているパーツなどを調達して行こうと考えた。

『その1 ~外装の汚れを取り除こう~』
先ず、初めに行うとすれば外装の清掃であるが埃やゴミによってダイヤルの動作が悪化するだけでなく精度が低下してしまう恐れがある。
そこで、綿棒とレンズクリーニングリキッドで汚れを除去することにした。

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クランクがある左側はファインダー脱着スイッチの部分が清掃しにくい箇所であるかと思うが、ここは細い綿棒で上手くいくかと思う。
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そして、右側のシャッターダイヤルの方は特に細い綿棒が活躍する場所になってくるかと思う。

リキッドを含ませた綿棒には長年蓄積した汚れが吸着しており、効果がある事が確認できる。

続いて、ファインダーのホットシューの汚れも除去していくが……錆は研磨するか錆取り剤で行くしかないと思うが、錆取り剤だとファインダー内のペンタプリズムに悪影響を及ぼす恐れがあるので使わないことにした。

『その2 ~内部も綺麗にしていこう~』
続いて、一眼レフではファインダーの次に重要なミラーの方も清掃していこうと思う。
先程の清掃で使用したレンズクリーニングリキッドと綿棒を使用するが、外装とは異なって拭きムラが起きると後々面倒な事になるので丁寧に拭き取っていく。


清掃前のミラーには埃や経年劣化で崩れ落ちたモルトが募っているのが見て分かるかと思う。

少量のリキッドを含ませた綿棒を左から右へ上まで拭いていき、最後に拭きムラが起きないように丁寧に何度も先程と同じ様に左から右へ拭き取っていく。
ここでポイントであるが、ミラーは銀やアルミを蒸着させたもので非常にデリケートなものである。
繊維の荒いティッシュペーパー等で拭こうものなら表面のアルミなどが削り落とされてしまうので、必ず軟らかい紙(レンズクリーニングペーパーなど)などを用いて行う事が鉄則である。

だが、PENTAX LXで使用されているミラーはSMC(Super Multi Coating)処理されたもので、言ってみれば表面はレンズと同じ様な状態なのである程度の拭き掃除は問題ないかと思う。
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そして、拭き掃除を終えたミラーは汚れが一掃されて見間違えるほど綺麗になったのがお分かり頂けるだろう。
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そして、ミラーを通じてファインダーへと像を写し込む際にフォーカシングの要となっているフォーカシングスクリーン……の外側の汚れ(?)も落とす為に先程と同様に拭き取ってゆく。

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拭いてあげると、この通り汚れやゴミが除去された上に表面のカビも葬りされたので内部の清掃作業はここで一旦終了とする。
『その3 ~パーツを揃えよう~』
いよいよ、本題のパーツの調達に入る訳であるが……絶版となってしまったパーツが幾つかあるので、その辺の入手方法も交えてまとめていきたいと思う。

私が所有している個体では以下のパーツが欠けており、ボディの保護といった意味で少しばかり不足している気がしてならない。

・シンクロターミナルキャップME(絶版
・シンクロターミナルキャップ4P(絶版
・ホットシューカバーFK
・アイカップM
・シャッターボタンアタッチメントLX(絶版

以上の5つの内の3つが既に絶版となっており、大手家電量販店のオンラインストアでも『販売終了しました』や『販売完了』といった文字が並ぶのみで新品での購入は出来ない状況である。

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現在のところ、eBayやヤフオクと言ったオークションサイトで気長に待ちつつ確保するしか方法はないと思われる。
ただ、ペンタックス(現リコーイメージング)が旭光学工業時代のパートがデッドストックされている場合があるようなので、処分セールなどで探してみるのも一つの手かもしれない(或いは直接電話で問い合わせた方が手っ取り早いか)

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そして、ホットシューFKとアイカップMはヨドバシカメラ.comで購入して、後日ゆうメールで郵送されてきた。
写真にはマウントキャップもあるが、それはキャップがない状態だったこともあってである。

《ちょっとした小話》
ペンタックスのマウントキャップはKマウントへ変更されてから『ASAHI』表記が削除された以外の全体的なデザインは変更されていないが、小さな変更点を挙げるとすればマウント時にクリックされてロックされる点裏面の『ASAHI OPT. CO,.』が削除された点だろうか。

因みに、現在のデザインのキャップが販売開始されたのは86年からと比較的新し目のものである(レンズキャップに関してはデザイン変更が幾度も行われている)


さて、閑話休題してお次は先程の絶版パーツの入手になるが、基本的に当時の定価の2倍~3倍が相場となっているので割高だったパーツや流通量が少なかったパーツを入手する人は覚悟しておくべきである。
シンクロターミナルキャップはヤフオクで出品されていたので、何とか入手できたがシャッターボタンアタッチメントLXに関してはPENTAX LX専用パーツだけあり流通量が少なく、世界最大規模のネットオークションのeBayですら見つからない状況である。
純正品に拘らない人であれば、マップカメラなどで販売されているサードパーティ製品で良いかも知れない(コレクター的には許せない事では有るが)

AE3670B3-9D3B-4065-A723-E6B9E0C7ABFFそして、シャッターボタンアタッチメントLXを除いたパーツは揃って形になってきた訳だ。

アイカップMはただ嵌め込むだけのもので、327円(税込)で購入出来て安いパーツであるが……欠落しやすいのが欠点である。
不安な人は割高にはなるが、アイカップMⅡを選んでおいた方が安心出来るであろう。
そして、ホットシューカバーFKは半透明なプラスチック製なのに333円(税込)もするので価格設定が高く感じてしまう事もあるだろうが、この通りシューの先端が飛び出さずに嵌め込めているので、純正品という安心感を買うという意味合いでは安いと考えられるだろう。









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こうして見ると、ニコンには劣るものの旧いパーツが未だに販売されているのは実に有難い事であり、これからも販売を続けて欲しい限りである。

次回はいよいよ、PENTAX LXの修理に向けて着々と進めていきたいと考えているので刮目して待て。