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さて、今回はニコンのフラッグシップ機『Nikon F2 Photomic』を数か月前に手に入れたので、見ていきたいと思う。

このNikon F2というと1971年に発売されたニコンのフラッグシップ機であるが、同時期にライバル社のキヤノンからCanon F-1が出たのは有名な話であろう。
そんな70年代のフラッグシップ機であるが、実は翌年の札幌オリンピックに向けて超望遠レンズと共に開発していたものでもあった。

そして、当時のフラッグシップ機だったNikon F(1959年~1971年)の大きな欠点だった超望遠レンズを使用した際のミラー切れ(ミラー切れとはレンズの像がミラーに入りきれずに途切れてしまう事)を解消すべく改良を施したというのである。

という事で、1972年の札幌オリンピックの際にNikon Nikkor-H 300mm F2.8と共に活躍したモデルである。

因みにIOC(国際オリンピック委員会)公認モデルもあり、そのお墨付きとしてオリンピックの五輪マークとIOCRD N72-xxSという形式のシリアルナンバーが付与されている。

http://cameranonaniwa.jp/shop/g/g2111012074250/
(2017年8月20日現在:レモン社にて56万円で販売しているのを確認)
そんな長い前置きはさておき、私が購入したNikon F2 Photomicを見ていくとしよう。

このモデルは7358xxx番台という事で1973年~1974年に製造されたものという事が分かるかと思う。

何故、最初にシリアルナンバーから見たかというと……初期型と後期型とでは一部の設計が異なるからである(但し、修理業者により後期型の部品と交換されている場合がある)
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先ずは、ボディ全体からではなく本体に使用されているネジから見ていく。
私が所有するボディではプラスネジが使用されているが、初期型ではマイナスネジが使用されていた。
しかし、保守性の問題などから後期型では比較的入手し易い上にネジ山がすぐに潰れないプラスネジに変更されたと云われている。

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そして、次にフィルムバックにあるメモホルダーの方を見ると縦模様が入っているのが確認出来るかと思う。
これは後期型の証拠であり、初期型では無地のメモホルダーが使用されていた。
メモホルダーに仕舞われたフィルムのパッケージの切れ端やメモ用紙を取り出しやすくする為に、縦模様を入れたものに変更された。

そんな細かな部分に設計の変更を行っている本モデルであるが、やはり使い易さに拘ったニコンの設計者の思惑が反映されているのが分かる。

本機のシャッタースピードは2000/1秒~バルブまでとなっており、X接点速度は60/1秒と現在の基準からすると遅めである(このX接点速度の遅さは後代のNikon F3まで続くことになり、高速化は後々代のNikon F4まで待つ事になる)
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スピードライトはクランクの備え付けられたレールに取り付ける形となるが、別売りのAS-14が必要となる。
このような形状は後代のNikon F3まで続く形となり、クランクの操作が出来なくなる等の問題が発生して改良型のアダプタを出して解消させることとなる。

因みに、F一桁シリーズで初めてホットシューを搭載したのはNikon F3P(ファインダーはDP-4)であり、それが標準化するのはNikon F4からである。
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底部に移ると、電池蓋とフィルムバック開閉用のレバーがあるがクランクで開閉させる形では無いので、初めて使う人は混乱するかと思うが、フィルムへの安全性が確保されている。

お次はNikon F2の第二の要とも言えるファインダーに移りたいと思う。

このファインダーは当時としては画期的だったフォトミックファインダー(DP-1)であるが、上部から見ていく。
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採光窓が見えるかと思うが、その真上に小さなメーターらしきものがあるのが解るだろうか。
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これはファインダーに搭載された露出計の動作チェックを行うためのメーターである。
この動作をチェックを行う為のボタンがファインダー前面の凹部分にあり、そこを押して確認する(但し、巻き上げレバーを開かないと動作しない)

ファインダー内はF値とシャッタースピードと露出計とシンプルな構成となっている。

そんな使い易いファインダーであるが、当時のフォトグラファーの間で議論となり『露出計はファインダーで行うべき』という声や『目測でするべき』という声が上がり、フォトミックファインダーを敬遠してあいレベルファインダーを愛用したユーザーが少なからずいたと云われている。

そんな議論で盛り上がって46年程経過するが、今では当たり前のように使われているフォトミックファインダーも当時は信頼性などで敬遠されていたのだから、技術の進歩は実に早いものだと思う。

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下部から見ると、ニコンのレンズに付けられたカニ爪と連動させる為の棒とボディに装着するための引っ掛けがあるのが解る。

さて、ここまでNikon F2 Photomicの各部を見てきたが……実は安く手に入るとは思っていなかった。
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とはいえ、出来ればPhotomic ASが欲しかったのはここだけの話。

それよりも故障したNikon FMの修理を済ませたいので、暫くの間はNikon F2 Photomic ASやMD-2は買えそうにない。

【スペック】
◇発売:1971年9月21日
◇露出制御:TTL完全連動定点合致式
◇測光方式:中央重点開放測光
◇受光素子:CdS受光素子
◇シャッター:チタン幕フォーカルプレーンシャッター
◇シャッタースピード:バルブ・1~1/2000秒
◇プレビュー機構、セルフタイマー(2~10秒)、多重露光、ミラーアップ可能

それでは、次回号を括目して待て!